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2011年センター国語古典全訳

今年のセンター試験の解説をやったときに、
古典や漢文の全訳をしたんだけど、
せっかくなので受験生が参考にできたらいいと思って
掲載することにします。
転載だけは勘弁してください。
 
2011年センター古典
 
 義朝はともかく何も言わず、涙をハラハラと流して「それなら、お前の好きなように取り計らって申し上げよ」とおっしゃった。正清は「そのようならば、御対面なさって、なぐさめなだめ申し上げなさい」と申し上げたので、流れる涙をぬぐって、なくてもないというようにふるまった。為義の御前に参って、「義朝は、今度の合戦の大将軍として、忠節をつくします。多くの味方の若い者たちが討ち死にし、負傷しています。それなのに、いまだに勲功の賞にも預からずにおりますところに、為義の御首をおはね申し上げよと度々仰せられます間、今度の褒美のかわりに、お命だけを助けてさしあげるのです。ただし、平清盛には、あげる忠功もございませんけれども、大国をたくさん授かり、一族は朝廷の誇りに思っています。義朝などは、頭を差し出すべき理もありません。それに、こうして行きますと、石の中の蜘蛛のように身動きがとれないようにも思えます。人の口は悪いものですので、いかなる讒言が出てくるでございましょう。東山という所に、庵をかまえてございます。貴い所ですので、行かせてもらって、静かに念仏を唱えていてください。」と申されたので、為義はまず涙をはらはらとこぼして、「ああ、人間の宝には子に勝るものはないのだなぁ。子でない者が、誰か我が身に代えて助けてくれようか。永遠に、この恩は忘れないだろう。」といって、手を合わせて喜びなさった。義朝は心の中で、「無残だなぁ、ただ今、斬られなさることもお知りにならずに、そのようにおっしゃる。」と思ったので、涙が出てくるのを、ないともないというようなふりをして、「それでは正清御輿を参らせよ」とおっしゃったので、「承りました」と白木でできた手でひく車を引き出す。さすがに、なごり惜しかったので、乗せてやれなかったのを、正清は、「早く早く」と申したので、不本意ながらお乗りになった。
 夜更けのことであるので、どこかをそことは知らないけれども、東の方へは行かず、七条通りの西の朱雀大路へ引いて行く。(義朝の家来の)波多野次郎は、力持ちに車を引かせて出てきた。正清は、朱雀大路で、車から輿に乗り移りなさるところを討ち取って申し上げようと、刀を構えて待ちかけていた。波多野次郎はまだこのことがよく理解できていなくて、正清の袖をひっぱって聞くには、「なあ、正清殿、これはどのような計らいなのだ?このことは全く心得ていないぞ。いよいよお命を奪い申し上げようということのようだ。本当に、為義殿が朝廷の敵となられたことは、力の及ばなかったことではある。しかし、今度義朝様が大将軍を承ったというのも、誰のゆえであるか。為義殿のご威勢であろう。東国の連中と多く付き合えるというのも、また、為義殿がお譲り頂いたゆえであろう。それは勅命であるのだから逆らえないとは思うけれど、実の父の首をどのように斬らせ申し上げるのか。返す返す残念なことである。明日は天下のうわさ話となり、人に指を指され申し上げる義朝様の御悪名がとどろいてしまうことは心から辛い。そもそも、昔、為義殿の祖父で相模守の伊予殿が鎌倉にお行きになった時は、関東の八つの国で為義殿のお父様を頼りにしないものはいなかった。その子である為義殿も我等が主人であるし、その子である義朝様も主人である。中でも、正清殿は為義殿の育ての親に育てていただいたのだから、よしみも深い人であろう。どうして思慮分別もなく打ち申し上げようとするのだ。助け申し上げることはなくとも、せめて、このようなことですと申して、最後に念仏を勧めて申し上げなされよ」と言うので、道理であるなと思ったのであろうか、正清は「それなら波多野殿がその様を申し上げよ」と言うので、波多野次郎義通が、車の棒のところに取り付いて、泣く泣く申し上げるには、「いまだ事態がお分かりになっていないのですか?義朝様のご命令で、正清が刀を取って、ただ今、車と輿との間でお討たれになるはずであることを」と言って、袖を顔に押し当て、むせび泣いてうつ伏してしまったので、為義は大変驚いて、「残念なことだな。義朝はさては我を騙したな。ああ、為朝がよく言っていた。こうなることを知っていたら、六人の子どもを前後に立て、矢種のある限り射尽くして、討ち死にして死んでいたのに、そうすれば名を後世に残せたのに。さては、犬死にだな。もし今度の合戦に院方を勝たせ申し上げたとしたなら、どんな勲功・勧賞にも申し替えて、どうして義朝一人を助けないことがあるか。ああ、親が子を思うほど、子は親を思わないんだな。『諸仏は衆生を念えども、衆生は仏を念わず。父母は常に子を念えども、子は父母を念はず』と仏がお説きになっているのは、少しも違わない。ただし、こうなってしまっても、我が子が悪いとは思わないのだ。願わくは、梵天や帝釈天から堅牢地神に至るまで、義朝の親殺しの大罪を助けたまえ」とおっしゃり終えるまでもなく、涙にむせび泣きなさった。
  
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